制度信用と一般信用の違いと取得コスト(犬にもわかる株主優待解説・第6回)

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こんにちは、まるです。

前回の第5回目では、優待クロスのタイミングと仕組みについて解説しました。

今回はついに最終回

【 第6回 】 制度信用と一般信用と取得コスト

について解説していきますよ。

犬にもわかる株主優待 コスト
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制度信用と逆日歩

前回、優待クロスを使い
現物と信用売りの組み合わせで
株価の変動リスク無く

優待だけ取得可能な方法を解説してきました。

制度信用を使えば

最終売買日にクロスして翌営業日の権利落ちで返済(一泊二日)

簡単に株主優待だけ取ることができます。

しかし、制度信用取引には逆日歩のリスクがあります。
※逆日歩の解説は第5回を読んでね

何も考えずあれこれ手を出すと、優待価値以上に思わぬ損失が出てしまう可能性もあるんです。

まるも初心者の頃、某ホームセンターの優待を制度信用の優待クロスで取りました。

10,000円分の商品券がもらえるのだけど、付いた逆日歩は

なんと36,000円!

商品券で買ったコピー用紙は、まるにしか分からない超高級コピー用紙になりました(笑)

それ以来、逆日歩をより警戒しながらあまりリスクを取り過ぎないように銘柄選択するようになりましたよ。

そんな逆日歩と上手に付き合っていく上でのポイントとは?

逆日歩リスクをコントロール

逆日歩は無いに越したことはありません。

でも、全てをゼロで乗り切る!

なんていうことは、銘柄の選択肢がほとんど無くなるので不可能です。

ある程度、逆日歩を予想してコストとして受け入れていきましょう。

まず逆日歩の予想額と優待価値から許容範囲で取得できそうな銘柄を選別する作業が必要になります。

逆日歩を最小限に抑えるために、制度信用で優待クロスをする権利付き最終売買日(又は前日の夜)に

・逆日歩は何日分なのか?(受渡日の影響)
・最大逆日歩はいくらになるのか?
・貸借倍率はどれぐらいなのか?
・過去の権利月に貸借倍率がどのように推移したか?

等を把握して逆日歩をある程度(高いor安いorゼロ)予想して銘柄選択をしていきます。

まるも高額逆日歩を回避する為に直近の貸借倍率の推移や過去のデータをしっかりチェック。

逆日歩の過去の傾向などを参考にしつつ、最終日のお昼休み(11時半~)に日証金のHPで最新の逆日歩情報を見て、銘柄の最終選別をしてから注文していました。

今は、逆日歩リスクの無い一般信用を中心に取得してます。

制度信用でも、特に逆日歩日数1日の場合は優待価値が最大逆日歩を上回る物もあったりします。
最大で付いてもプラスになるから狙い易いですね。

毎回ほとんど逆日歩の付かない銘柄や一般信用に無い銘柄もあるので、制度信用もまだまだ活用しています。

一般信用なら逆日歩が無い

一般信用売りは制度信用売りと違い、逆日歩が無いという事が最大のメリット。

信用取引の制度信用と一般信用を簡単に説明すると

制度信用取引

証券取引所が指定した銘柄(貸借銘柄)の取引(返済期限は6か月)

一般信用取引

証券会社が各社独自に指定した銘柄を取引(返済期限は各社独自の設定)

といった感じです。

さらに一般信用には【長期】【短期】【一日信用】があります

長期は金利・貸株料が比較的安く

短期は金利・貸株料が長期より高めに設定されています。

1日信用は持ち越しはできません
(持越すと高額な手数料がペナルティとして発生します)

それぞれの性質を表にしてみます。

 制度信用一般長期一般短期1日信用
逆日歩ありなしなし×
金利・貸株料安い安い高い安い
優待クロス売豊富争奪争奪×

※×は持ち越せない為優待クロスには使用できない

一般信用で優待クロス売りをする事で、逆日歩リスクを取らずに済みます。

しかし、証券会社ごとに取扱銘柄や在庫がまちまちです。

人気銘柄ともなると争奪戦になり、確実に確保できる保証はありません。

取り易さやコスト等を考えながら

・制度信用で取るか一般信用で取るか。

・一般信用ならどの証券会社で取るか。

・在庫との兼ね合いでどのタイミングで取るか。

等を考えて行動する必要がありますね。

取得コストを考える

優待クロスで取る時、一番大事なことは

取得コストがいくらかかるか?

だと思います。

例えば、500円のクオカードを、手数料・金利・貸株料等で何百円もかかってしまっては、残りの妙味は微々たるもの。

これでは優待クロスのうま味は無くなってしまいます。

ここでみなさんに質問。

500円のクオカード、いくらなら買いますか?

400円? 300円? 200円?

自分が払うお金 = コスト

さらに時間や手間といった見えないコストもありますね。

この優待、自分はいくらなら買うか?

という風に置き換えて考えれば、選別やタイミング(日数分の貸株料)等より冷静に判断できると思います。

返済コストは無料になる

優待銘柄で多い10万円~20万円の価格帯の取引であれば、手数料100円~200円前後の安い証券会社も多くあります。

優待クロスで取ると手数料は売りと買いを同時にするので2回分。

もし、権利日を跨いで翌日に素直に両方返済注文をしてしまうとさらに2回分かかります。

仮に手数料200円であれば取引4回分で800円の手数料に・・・

手数料100円の証券会社を使っても400円ですね。

そこに金利・貸株料・(あれば逆日歩)のコストを加えたら

500円や1000円のクオカードをもらってもプラスになるのかも怪しいですよね。

そこでまず、返済の2回分の手数料を無料にする方法があります。

現渡しという注文方法です。

現引き・現渡しとは

信用取引の決済方法の一種です。
「現引き(げんびき)」のことを、株券を受け取ることから「品受け」
「現渡し(げんわたし)」のことを、株券を渡すことから「品渡し」
と呼ぶこともあります。

現物(買い)と信用売りを両方持っている時は、現物を信用売りの返済に充てる(渡す)事ができ手数料は無料なんです。

優待の価値が小さければ小さいほどわずかな手数料も足かせになってしまうので、とても有効な返済方法です。

優待クロスの返済方法は「現渡し」
と覚えておきましょう。

現物も手数料無料で

信用手数料が無料(現物手数料は有料)の証券会社の場合

クロスする時は信用買と信用売で入り

信用買を現引きして現物に変え、現物と信用売の両建てにする。

そうすることで、現物のコストを手数料無料(信用金利のみ)で用意する事ができます。

経費を抑えられるのでオススメです。

また、最近は1日毎に取引金額が、設定された上限以内であれば(最大100万円まで等)現物手数料も無料になる証券会社が増えています。

無料枠内の現物買や信用買からの現引きを上手に使って削減していきましょう。

優待クロスに有効な証券会社

優待クロスで一番重要なコスト

手数料を無料で使える証券会社もあります。

コストを金利・貸株料だけにする事ができれば、利益率もあがり効率化できますよね。

そこで、優待クロスに有利な逆日歩の無い一般信用を扱っていて、優待取りにオススメの証券会社をピックアップ。

信用手数料無料の証券会社

条件なく信用手数料無料【SMBC日興証券】

SMBC日興証券の一般信用は長期のみ。

取扱銘柄・在庫供給量ともにトップクラス。
しかし、人気の銘柄は1か月以上前から在庫が無くなる場合もある。
故に保有期間が長くなりがちで、資金が少なく回転率重視の人には効率は悪い場合も。
信用取引は条件なく無料なので嬉しい反面、信用取引以外の手数料はお高めです。

条件ありで信用手数料無料【楽天証券】

楽天証券の一般信用は短期と無期限。

いちにち定額コースなら、現物でも信用でも1日の取引金額合計100万円まで無料。

取扱銘柄が多く短期でも無期限でも効率よく運用できるのは〇
いちにち信用は無条件で手数料無料(=買いは現引することで上限無く手数料無料化可能)
条件を満たせば信用手数料が上限無く完全無料(超割コース 大口優遇)

条件ありで手数料無料&キャッシュバック【GMOクリック証券】

GMOクリック証券の優待権利取りに使える一般信用売りは短期のみ。

1日定額プランなら、現物でも信用でも1日の取引金額がそれそれ合計100万円まで無料。

また、GMOグループ会社株主優待のキャッシュバックにより、現物も信用も実質手数料無料化も可能。
短期の優待クロスで回転が効くので、低コストで資金効率良く優待取得できる。
キャッシュバックは毎回GMO系優待を取れる人向け。

まとめ

今回は制度信用と一般信用の違いや逆日歩・取得コストについて説明しました。

株主優待の価値からコストを引いた分が実際に得られる価値(利益)になるので、できるだけコストを抑えて上手に取得していきましょう。

また、一般信用クロスは複数の口座を持っておくと、各証券会社毎の一般信用売りの在庫の動向を見て身軽に動く事ができるようになるのでお勧めです。

株主優待解説も今回で最終回。
いかがでしたでしょうか?

みなさんの株主優待生活の参考になれば幸いです。

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